星稜、延長十回サヨナラ 奥川涙の決勝打
「選抜高校野球・3回戦、星稜4-3近江」(31日、甲子園球場)
星稜(石川)は近江(滋賀)に延長十回サヨナラ勝ちで23年ぶり、三重は乙訓に競り勝って26年ぶりの8強進出を決めた。
打って投げて、そして泣いた。星稜が今大会初のナイター試合で延長十回サヨナラ勝ち。2死一塁から左中間を破る適時二塁打を放った奥川恭伸投手(2年)は涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら歓喜の輪に包まれた。「すごい厳しい戦いだったので勝ててホッとしたから」。2安打3打点。それも六回途中からの出場だ。
予感があった。「自分が決めるんだというより、決まる瞬間が見えていた。イメージがあった」。集中して“予知”できたことが過去にもあった。
投げては2試合連続の無失点リリーフ。プロが早くも注目する2年生右腕はマウンドでもゾーンに入った。「自分ならできる」「守ってくれるから安心しろ」。知らぬうちに声に出して言い聞かせていた。
名門にとって23年ぶりの春8強。松井秀喜氏の1年後輩だった林和成監督(42)は「この勢いで彼らの力を信じていきたい」と言う。過去2度阻まれた準々決勝。厚い壁を破るための助走は十分だ。