智弁和歌山、悲願の大阪桐蔭撃破ならず 高嶋監督「くそー」
「選抜高校野球・決勝、大阪桐蔭5-2智弁和歌山」(4日、甲子園球場)
智弁和歌山が大阪桐蔭との“阪和決戦”に敗れた。逆転負けで1994年以来、24年ぶり春の頂には届かなかった。
無念の思いをストレートに口にした。「くそーっと思っている」。智弁和歌山の高嶋仁監督(71)は敗戦を受け止め、胸にある悔しさを聖地に響かせた。00年以来、18年ぶりとなった春の決勝。悲願だった大阪桐蔭撃破を果たせず、24年ぶりのVをつかめなかった。
流れは先に来ていた。四回無死満塁から投ゴロ併殺で好機はしぼみかけたが、直後に東妻純平捕手(2年)が左前へ先制2点適時打。ただ、以降は自慢の攻撃力が影を潜めた。準決勝で180球を投げた疲労を考慮されて救援に回ったエース・平田龍輝投手(3年)は、七回途中から登板も2失点。「5、6試合を投げきる力をつけないと」とうつむいた。
打倒・大阪桐蔭の旗印を掲げて乗り込んだ聖地。「うちとしては、ようここまで来たなと。全員が桐蔭とやりたい気持ちでね」と高嶋監督。好ゲームを演じた選手をねぎらった。ただ、同時に残された“宿題”があることも確か。昨年からこれで大阪桐蔭に公式戦4連敗。「(差は)広がってますね。縮めていかないと」と真夏の戦いへ目を向ける。
雪辱を誓う名将が生き生きとする。選手にかけたい言葉を問われると、「『夏やで!』と。センバツは終わりましたから」。夏こそ宿敵の壁を乗り越え、悲願を成就させる。