「楽天１－３日本ハム」（５日、楽天生命パーク宮城）

　“逆輸入右腕”の日本ハム・村田透投手（３２）が桜満開の仙台で輝きを放った。先発のマウンドで８回４安打１失点。「ストライク先行でいけたことが良かったです」と今季初勝利をかみしめた。

　「序盤は意気込み過ぎた」と球が上ずる場面があり、三回はオコエに先制の一発を被弾。ただ中盤以降は手元で動く変化球を駆使し、凡打の山を築いた。８回９６球と完投ペースだったが、栗山監督は「最初の登板は１００球がメド」と交代を決断。最後はトンキンが締め、歓喜が訪れた。

　０７年度大学・社会人ドラフト１位で巨人入団も１軍登板ゼロで１０年オフに戦力外通告。メジャーを目指した米国での武者修行を経て、日本ハムに加入した昨年にプロ初勝利を挙げた。エンゼルス・大谷の活躍については「励みになります。彼に負けたくない気持ちです」。遅咲きの苦労人は今も夢の途中を歩く。

　巨人に復帰した母校・大体大の先輩、上原の存在も原動力の一つ。「負けないような成績を残したいですね」。開幕ローテ入りをつかみ、チームを３連勝に導いた３２歳が大きな花を咲かせる。