ロッテのヒーロー、居残りバント練習 田村、延長十一回V打も送りバント2度失敗
「日本ハム2-5ロッテ」(8日、東京ドーム)
「オイ、特バンや」
試合後、“ヒーロー”を待っていたのは清水将バッテリーコーチのこんな言葉だった。「言われなくても分かっていました」とロッテ・田村は約30分間、バント練習で汗をかいた。
「ここで打たないと(みんなに)一生恨まれると思い打席に入った」と振り返った一打だった。延長十一回。井上の四球から1死一、二塁。指名打者・李杜軒の4球目に二走・岡田と一走・菅野が重盗を決めた。李杜軒は三振に倒れたが清田が四球で歩いた。満塁。今季のテーマ「機動力」でお膳立てだ。
ここで田村だが三回と十回に送りバントを失敗していた。井口監督は「その悔しさは本人が分かっていたはず」と話していたが、井口の1-1からのスライダーを中前に運ぶと留飲を下げた。さらに打者走者の田村が一、二塁間で挟まれている間に一塁から清田も生還し3点が入った。
「やっぱり小技をしっかり決めないといけない。(自分は)3割打てる打者じゃない。きょうは勝ったことがなによりです」
特訓を終えた井口ロッテの正捕手が最後にやっと表情を崩した。