DeNA筒香、お目覚め2発で全5打点 初連勝に導く
「広島3-5DeNA」(8日、マツダスタジアム)
待望の一撃が自らと、そしてチームの目覚めの時を告げた。「何としても(3連戦を)勝ち越して帰るつもりだった」。DeNA・筒香の思いが結実したのは六回無死一塁。先発・大瀬良の内角直球を豪快に右翼席へ運んだ。
昨季22試合目だったシーズン1号が、試合の均衡を破る先制2ランとして開幕8試合目に飛び出した。さらに七回1死二、三塁で3番手・九里の低め変化球をバックスクリーンへ叩き込んだ。
この3連戦前までチームは1勝4敗と低調。チームの成績を背負う気持ちは筒香の打撃も狂わせる。ラミレス監督も「チームに貢献したい気持ちが強すぎて、悪い球に手を出している」と分析した。
ただ、必死の思いは筒香を着実に進化させる。キャンプからスタンスを狭くして直立する新打撃フォームへの改造に着手。徐々にスタンス幅を広げ、膝を曲げて重心を落としていった。現在の状態を「あまり良くない」とし、今回の広島3連戦はさらに重心を落としてオープンに構える微調整。理由は明確だ。「打つためです」
開幕直前にミズノのバット職人・名和民夫氏が横浜を訪れ、重量を5グラム増やすなど微妙なバット形状を模索。フォームだけでなく、道具にも繊細なこだわりを見せた。すべては優勝のためだ。
開幕戦前のミーティングで「強い思いを持てば必ず1位になれる。全員が必死こいてやるしかない」とゲキを飛ばした筒香。主将の示した覚悟が、チームに今季初の連勝をもたらした。