山本浩二氏「キヌがいたからやってこれた」 衣笠氏急逝に沈痛

 プロ野球広島で活躍し、2215試合連続出場で「鉄人」と呼ばれた衣笠祥雄氏が23日、上行結腸がんのため亡くなった。71歳だった。広島黄金期の主軸を共に担った山本浩二氏(71)は24日、沈痛な思いを吐露した。

 衣笠氏と共に主軸を打ち、1975年の広島の初優勝に貢献した山本氏が、突然の訃報に言葉を失った。都内で取材に応じ、「5日前のテレビ中継の解説を見ていて少し心配していた。まさかね…」と落胆した。

 体調不良は3年前くらいから聞いていたという。訃報に接したのは23日夜。1月に亡くなった星野仙一氏(享年70)に続き、相次いで盟友を失い「ビックリしたというか、まだ早いというか。先日の星野(仙一)といい、つらいですね」と悲しみに暮れた。

 現役時代は良きライバルとして、チームをけん引した。75年の甲子園のオールスターでともに2打席連続本塁打。「あそこから“赤ヘル旋風”という名前が付いたと記憶している。初優勝するまではライバルとして見ていたが、優勝争いの中で心を通じ合うことができた」。悲願を実現させ、互いを認め合う存在となった。

 「鉄人」の偉大さに触れたのは79年。衣笠氏は死球を受けて左肩甲骨を骨折し、連続試合出場継続のピンチを迎えたが、それでも試合に出続けた。「骨折しても、平気で知らん顔して打席に立つ。三振した後に、ベンチ裏で『痛い』と。でも、表では全く見せなかった」。その姿に刺激を受け、山本氏も試合を休むことができなくなった。

 当時を思えば、想像もできなかった鉄人の訃報。この日の夜には遺体が安置されている斎場を弔問。悲しみは癒えないが「キヌがいたから、私はやってこれた。最高のライバルであり、チームメートであり、お手本になる選手だった」と感謝の思いを伝えた。

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