ロッテ大嶺翔太がプロ初DHスタメンでプロ初4安打「1打席1打席が代打のつもり」
「ロッテ6-5日本ハム」(29日、ZOZOマリンスタジアム)
プロ9年目で初めて「DH」でスタメン出場した大嶺翔太がこれまたプロ初の4安打をマークした。打順は9番だった。
二回2死後、左前打で出塁。二盗を決めると加藤の暴投に乗じて一気に本塁を踏んだ。
三回1死一、二塁では内野安打でチャンスを広げ、荻野の中犠飛を呼んだ。六回にも2死から左前打を放ち、藤岡裕の決勝2点三塁打の足場を作った。
勢いは止まらない。八回にも中前打だ。
「自分のやれることをやっておこうと思っていた。1打席、1打席が代打のつもりで」
23日にファームから1軍に合流した。助っ人・ドミンゲスではなく自分が昇格することに「いいのかな」と思ったそうだが、2軍では打率・275、3本塁打の成績を残していた。
さらに「機動力野球」を打ち出す井口監督は2軍で5盗塁の大嶺翔を評価していた。16年に「38」、17年には「91」と出場試合を大幅に増やして今季は遊撃取りに割って入る構えだった。
しかし、石垣島キャンプで左ヒザを痛めて出遅れた。開幕は2軍で迎えたが、自分にこう言い聞かせてエネルギーを蓄えてきた。
「必ず出番はやってくる」
井口監督は「ここしかない。左(投手で)の時にDHで使えば面白い」と話した。9番に置いたのも当たった。采配の妙だった。
初のDHに驚いた大嶺翔だったが、工夫を忘れなかった。ベンチ裏で体を動かし続けた。いくらかでも守っている感覚を持って打席に入るためだった。
「やれることをやる」。大嶺翔はこの言葉を前向きに実践していた。