「日本ハム４－１楽天」（３日、札幌ドーム）

　日本ハム・清水の逆転満塁本塁打が飛び出した瞬間、三塁上でタッチアップに備えていたドラフト１位・清宮（早実）は右手を突き上げた。七回、自身の右前打で口火を切り、伏兵のグランドスラムを呼び込んだ。レアードの欠場もあり、初めて５番で起用された１８歳が３打数１安打１四球。初めて味わう１軍での勝利の美酒に「もう（勝ちと負けでは）全然、気分が違いますね」と大喜びした。

　未知なる投手との対戦ながら必死に食らいつく姿勢が、反撃の合図となった。初対戦の辛島に１、２打席ともスライダーで空振り三振。「今までに見たことがない回転で、チェンジアップのようだった」。しかし七回１死から三度目の正直だ。「スライダーでやられていたので、狙ってました」。カウント３－１からの５球目。低めのスライダーを強振。鋭い打球で一、二塁間を破った。前夜のプロ初安打から５打席ぶりの一打。プロ初得点も記録したが「自分はプレッシャーのない中、ヒットを打っただけ。後ろの人に感謝しかない」と謙虚だった。

　１８歳ながら規格外の飛距離、破壊力には主砲の中田も一目置く。前夜の岸から放った中堅フェンス直撃二塁打に「岸さんの直球を捉えるなんてかなり高い能力を持ってるよ。飛ばす力はすごい」と称賛。エンゼルス・大谷にも初安打を絶賛された新怪物は「お手本がいるので、追いつけるように必死にやりたい」と意気込む。２試合連続安打と非凡な才能を見せる１８歳。黄金ルーキーの看板に偽りはない。