龍谷大平安、OB・衣笠氏に捧げる1勝 夏こそ甲子園通算100勝
「春季高校野球京都大会・1回戦、龍谷大平安7-0南陽」(4日、京都府太陽が丘球場)
龍谷大平安が8回コールドで南陽を下し、OBの衣笠祥雄さんが4月23日に亡くなってから初めての公式戦を勝利で飾った。
二回無死。同校OBで西武・炭谷銀仁朗のいとこにあたるプロ注目の4番・松田憲之朗内野手(3年)が、左中間へ高校通算50本目となる特大の決勝ソロを放った。フルスイングが持ち味だった衣笠さんと同様に、豪快なスイングでアーチを描いた。
「お話したことはないけど、偉大なOBが亡くなられてビックリした。監督からは(衣笠さんが)100回大会に期待されていたことを聞いた。夏は多くのOBのためにも、期待に応えないといけないと思う」。主将、4番、遊撃手としてチームを引っ張る大黒柱は表情を引き締めた。
原田英彦監督(57)が最後に衣笠さんと会ったのは、昨年11月の京都での食事だったという。「優しくて、野球が大好きな方でした。寂しいですね…。心のパズルの1つが欠けた感じがある。応援してくれていて支えになっていたし、すごくショック。『夏の100回大会を楽しみにしている』とおっしゃっていた。選手にはそういう先輩の思いを分かってもらいたい」。大勝にも浮かれる様子はなく、選手にさらなる奮起を促した。
龍谷大平安は、甲子園春夏通算100勝(春40勝39敗1分、夏59勝30敗)に王手をかけている。衣笠さんも高校3年時に捕手として1964年の春夏連続で甲子園に出場。ともに8強へ進出して、3勝を積み上げている。
原田監督は「命をかけるつもりでやっている」と今夏の第100回全国高校野球選手権記念大会にかける思いを示した。2016年センバツ以来の甲子園出場を果たし、偉大な先輩が活躍した聖地で節目の勝利を目指す。