広商、野球部で暴力も…夏はOK 県大会開幕前日7月6日まで対外試合禁止
日本学生野球協会は11日、都内で審査室会議を開き、高校10件の処分を決めた。春夏通算43度の甲子園出場を誇る広島商は、3年生部員による2年生部員への部内暴力があり、4月20日~7月6日まで対外試合禁止になった。7月7日に開幕する第100回全国高校野球選手権広島大会には出場できる。
節目の100回大会には出場可能の措置がとられた。部内暴力があった広島商に対外試合禁止処分が科せられたものの、期日は7月6日まで。関与していない部員数などが考慮され、処分内容が決まった。日本高野連の常本明審議委員長(68)は「夏の大会の前日までということで、了承をしていただきました」と説明した。
4月19日に野球部員の保護者から匿名で、暴力があったとの報告が寄せられた。調査の結果、上級生による下級生への部内暴力が発覚した。
部室整理が行き届いていないことを受け、同18日の練習後に部員全員で清掃をすることになった。そこで2年生数人が談笑しながら掃除を怠っていることに3年生が腹を立て、中断。2年生全員の51人が室内練習場に集められた。
1時間の説教中にも、聞く姿勢や態度が悪いと感じ取った、一部3年生の感情が爆発。暴力行為を働いてしまった。学校側は事実を重く受け止め、全体練習を自粛。同20日に日本高野連に事案の詳細を報告していた。
広島商は甲子園に春夏計43度出場し、夏6度、春1度の優勝を誇る。04年夏を最後に聖地から遠ざかっているものの、夏の広島大会に1915年の第1回大会から出場している全国的な伝統校だ。
全体練習は早ければ18日にも再開予定。対外試合はできないため、夏の大会にはぶっつけ本番で臨むことになる。野球部の久保陵二部長(52)は「発表があった通りです。これを厳粛に受け止め、今後の活動に生かしていきたい」と話した。