巨人・吉川尚、プロ1号 松坂からのメモリアル弾「一生忘れない」
「巨人9-5中日」(13日、東京ドーム)
打った瞬間にプロ1号の確信を得た。初回無死一塁。「引っ張れるコースを思い切っていけた」と巨人・吉川尚は松坂の投じた内角低めのカットボールを振り抜いた。「初めての感触。打った瞬間いったと思った」と相好を崩した23歳。松坂からのメモリアル弾に「一生忘れないと思います」と声を弾ませた。
「僕の知っている限りではメジャーリーガーの松坂さんしか分からない」という雲の上の存在。4月5日の対戦では3打数1安打だったものの「全然タイミングが合っていなかった」と振り返る。この日は一塁に走者を置いた状況での打席で「(右方向に)強く打とうとした結果」の一撃となった。
昨年の秋季キャンプから鍛え上げてきた“チルドレン”の待望の一発。「意外と打球が飛ぶなという印象があった」と評していた高橋監督は「本当に目の覚める(一発)というか。松坂という偉大な投手から打ったのは、1号としてはうれしいんじゃないか」と目を細めた。
この日は母の日。「今まで何もしたことがない」という23歳にとって、記念球が最高のプレゼントとなった。「野球をここまでやらせてもらって、この舞台に来ることができたので、感謝しています」。2カード連続勝ち越しの立役者が、照れくさそうに笑った。