ソフトバンク摂津、復活星に感涙 工藤監督「チームにとっても本人にとっても大きい勝利」
「ソフトバンク5-3西武」(22日、ヤフオクドーム)
男泣きの復活1勝だ。今季初登板初先発で618日ぶりの白星をつかんだソフトバンク・摂津正投手がお立ち台で感激の涙を流した。
5回無失点の力投も毎回走者を許す苦しい投球だった。だが、得意球のカーブを主体に緩急で勝負し、強気に内角を何度も攻めた。
また、四回には2死満塁の大ピンチを背負った。カウントも3ボール1ストライクと追い詰められた。しかしここで、ヤフオクドームのソフトバンクファンが西武応援団の声をかき消すほどの大声援と拍手で摂津を後押しした。「本当にありがたかったし、あの声援がいい結果につながったと思う」。フルカウントからの8球目、金子侑を三飛に打ちとり勝利をぐっと手繰り寄せた。
試合後も喝采を浴びた右腕。大きな瞳から溢(あふ)れ出た涙が褐色の頬を伝った。真っ黒に日焼けした顔はファームで腐らずに努力を重ねた証しだ。12年に沢村賞に輝き5年連続開幕投手も務めた。エースと呼ばれた男のために仲間たちは一丸となって戦った。工藤公康監督も「チームにとっても本人にとっても大きい勝利」と大喜び。ソフトバンクは最高の形で連敗を4で止めた。