「交流戦、巨人３－２西武」（１０日、東京ドーム）

　手荒い祝福も心地よかった。サヨナラ打を放った巨人のドラフト３位・大城（ＮＴＴ西日本）は、仲間にペットボトルの水をぶっかけられながらも満面の笑みだ。九回１死満塁。代打で登場し、右越え安打。今季初のサヨナラ勝ち。中日を抜いて５位となり、最下位から脱出した。「皆さんがつないでくれたんで何としてもという気持ちでした」。チャンスを作ってくれた先輩のおかげと感謝した。

　勝利への執念を燃やした高橋監督の采配が、サヨナラ劇につながった。九回、無死一塁から５番の阿部に送りバントのサイン。ベテランは期待に応え、得点圏に走者を進めた。「勝つための作戦だから決まって良かった」と阿部。高橋監督も「普段、やらない選手がなんとか１点というところで、決めてくれた。しっかりいい流れになった」と喜んだ。

　８カードぶりの勝ち越しを、パの首位西武相手に決めた。初回、先頭打者本塁打を放った坂本勇は「終盤、こうして点を取ることが大事。強いチームはこういう展開が多い」と勢いづく勝ち方を喜んだ。