立命・辰己 悪球打ちでV2点二塁打 虎スカウト12人態勢で視察
「全日本大学野球選手権・1回戦、立命大4-3奈良学園大」(11日、東京ドーム)
1回戦4試合が行われた。阪神などが今秋ドラフト上位候補としてリストアップしている立命大・辰己涼介外野手(4年・社)が、『就活』と位置づける全国大会で決勝打を放って初戦突破に貢献した。なお、神宮の3試合は雨天中止で順延となった。
有言実行の活躍だった。将来を左右する全国大会。辰己が強烈なアピールに成功した。
50メートル走5秒7、遠投125メートル。走攻守そろった大学No.1野手は、今大会をプロ入りへの就活と位置づける。「日本一が僕のアピールにつながる」。初戦から全開だった。
同点の五回2死二、三塁。相手バッテリーは敬遠も視野に入れ、外角の際どいコースを攻めた。1ボールからの2球目。辰己は「打球方向を決めていた」。思い切って踏み込み、ボール気味だった外角高めの直球を強振。左中間へ決勝の2点二塁打を放った。
前日のミーティングでは、全員の前で「俺に回してくれたら決める」と宣言。「自分は全国大会を一番経験している。他の選手のプレッシャーを軽減してあげたかった」。リーグ戦同様の活躍で2年ぶりの初戦突破を導き、目尻を下げた。
スタンドでは12球団の編成担当やスカウトらが陣取る中、阪神は和田TAら12人態勢で視察した。熊野スカウトは「ここという場面で勝負強さ、集中力がアップする。(走攻守の)どれもレベルが高いから、グラウンドで目立つね」。七回は三塁線へセーフティーバントを決めた。4秒を切れば速いと言われる一塁到達タイムで、3秒61を記録。全国大会でも能力は際立っていた。