中日・藤嶋、プロ初先発初勝利 「15分前に言われた」松坂代役お見事
「交流戦、西武3-11中日」(17日、メットライフドーム)
思わぬ形で新星が輝いた。試合開始直前に松坂がアクシデントで先発を回避。この窮地で緊急初先発した高卒2年目右腕の中日・藤嶋健人投手が自己最多の109球、最長の6回を投げて2失点と快投。プロ初勝利を手に入れ「試合の15分くらい前に急に言われた。一球一球必死に投げた」と照れ笑いを浮かべた。
気迫の投球で甲子園を沸かせた愛知・東邦時代同様、突然の出番にも「腹をくくった。意外と落ち着いて入れた」と動じず、持ち味のマウンド度胸を存分に発揮。連打で無死一、二塁とされた一回は浅村、山川、栗山の中軸から3者連続三振を奪ってリズムに乗った。
直球とスプリットのコンビネーションが武器。シーズンオフはタイプが似ている巨人の上原を参考に投球フォームを作り直した。その結果「(体重を)左足で受け止めることができ、腕が走るようになった」と球に勢いが出るようになって飛躍。プロ初登板を果たした今季は、中継ぎで1軍に定着した。
母校の先輩でもある朝倉投手コーチは「これで他の投手もうかうかしていられないでしょ」とにんまり。リーグ最下位のチームに大きな収穫と刺激をもたらした。