“琉球の二刀流”未来沖縄・宜保0封2安打発進 阪神など7球団スカウト熱視線
「高校野球沖縄大会・2回戦、未来沖縄7-0沖縄工」(24日、アトムホームスタジアム宜野湾)
沖縄大会では、創部4年目で優勝候補に挙がる未来沖縄が、初戦の2回戦で沖縄工に7回コールド勝ちした。今秋ドラフト候補で、投手と遊撃を兼任し4番も務める宜保翔内野手(3年)が先発して5回無失点で、打者としても2安打。同1位候補の大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)を連想させる“琉球の二刀流”が、春夏通じて初の甲子園出場へ最高の滑り出しを見せた。
梅雨明けした快晴の沖縄で、逸材が躍動した。宜保が昨秋と今春沖縄大会8強の沖縄工を投打で圧倒。「練習してきたことを全力で出せた」。あどけなさが残る表情を緩めた。
投手では、この日最速144キロの直球と、リリースポイントを変えて投げる4種類のスライダーで5回3安打無失点。打撃では三回2死一塁で得点につながる左前打を放った。
バレーボールの国体選手だった両親のセンスを受け継ぐ。1月に行われた沖縄県の高校球児による競技会では、立ち三段跳びで8メートル87を記録し連覇。投打でバネを感じさせるプレーを見せる。
今春から始めた投手としては、最速147キロの直球が武器。春季沖縄大会は、未来沖縄を春夏秋を通じて県大会初優勝へ導いた。
野手としては体重68キロと細身だが、左打席から広角に打ち分ける。スタンドでは7球団10人以上のスカウトらが視察。阪神・田中スカウトは「タイミングを取るのがうまい。体に力がつけば面白い」と将来性に期待した。
中学では生徒会長を務め、高校の成績はオール5で野球部トップ。背番号6で右投げ左打ちと、根尾と共通点が多い逸材は、「(根尾の)おかげで注目されてありがたい。同級生なので負けるとは思わず、頑張って追い越せるようにしたい」。“琉球の二刀流”は今夏、全国から注目を集める存在となるかもしれない。