洛南の女性監督・山村監督、公式戦初星ならず アクシデントに泣いたエース思いやる

 「高校野球京都大会・2回戦、南丹11-1洛南」(14日、あやべ球場)

 京都大会では京都唯一の女性監督・山村真那監督(28)が率いる洛南が六回コールドで敗れた。二回にエース・林汰玖真投手(3年)が左胸にライナーを受けて緊急降板した影響もあり、山村監督は15年4月の就任以降、春夏秋を通じて公式戦初勝利を逃した。愛媛大会では春夏計7度の甲子園優勝を誇る名門、松山商が五回コールド勝ちで好発進した。

 白星が遠い。公式戦初勝利を目指した第100回大会。山村監督は想像もしなかったアクシデントに泣いた。

 二回無死二塁。林の左胸にライナーが直撃し、マウンドに崩れ落ちた。「ひやっとしました」と山村監督。林は救急車で運ばれ、病院で検査を受けた結果、打撲で済んだ。だが、エースを欠いた影響は大きかった。

 2番手以降の投手が乱れてコールド負け。自身も大学までソフトボールのプレー経験がある山村監督は「林本人が一番悔しいでしょうね…」と、不本意な形で3年間の高校野球生活に幕を閉じたエースを思いやった。

 就任から4年目を迎え、監督業には少しずつ慣れてきた。指導方針は「考える野球」。練習は選手の意思を尊重して進める。

 一方で、人として基本的なことには厳しく、怒鳴ることもある。主将・藤原健裕内野手(3年)は「最初はお姉さんみたいでしたが、今は監督として尊敬しています。かっこいいので女子にも人気です」と信頼を寄せる。

 平日は午後8時まで練習で、女性らしいことをする時間はない。それでもグラウンドに通い続ける。「一生懸命、頑張っている選手が私の原動力。だから、頑張れる。選手には『あなたたちにやる気がないなら辞める』って言ってるぐらいですから」。これからも信頼する教え子と、悲願の1勝を目指す。

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