大会直前に父が他界 甲南・吉村が初戦突破に貢献「上から見てくれている」

 「高校野球東兵庫大会・2回戦、甲南8-1神戸」(15日、姫路ウインク)

 七回に打者一巡で5点を奪い、八回コールド勝ち。初回に1点先制され、中盤までは苦しい展開だったが、終盤は地力を発揮した。岡山毅監督(38)は「今日は吉村に尽きる」と、七回の2点適時二塁打など2安打2打点と活躍した5番・吉村佳起内野手(3年)を勝利の立役者に挙げた。同監督は「彼の強さに勇気をもらった」と目を赤くして語った。

 吉村の父、昌之さんは、大会直前の7月2日に49歳の若さで他界。保護者会では写真の撮影係として熱心にナインの勇姿を追い、亡くなる前日の練習試合も観戦していたが、突然の心筋梗塞だった。

 「最初は立ち直れなかった」という吉村を支えたのは、甲南中から6年間一緒に白球を追ってきた仲間たちだった。「みんなが暖かい言葉をかけてくれた。野球を頑張らないといけないと思った」と吉村。昌之さんの告別式には全員がユニホーム姿で参列して健闘を誓った。

 「決めたことは、負けずに最後までやりきれ」と父に言われた言葉を信じた逆転勝利。「お父さんが上から見てくれていると思っていた。天から(好機を)与えてくれると信じていたことが七回(の得点)につながった」と吉村は振り返る。ナインに背中を押され、スタンドで遺影を手に見守っていた母にウイニングボールを手渡した。まだ1勝。ヒーローは「自分たちで甲子園に出る。一戦一戦戦っていく」と力強く語っていた。

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