瀬戸内・門叶、顔面死球のち2安打2打点 担架で運ばれても出場志願
「高校野球広島大会・3回戦、瀬戸内12-1吉田」(22日、しまなみ球場)
責任感が体を突き動かした。四回1死三塁。瀬戸内の門叶直己内野手(3年)は、左頬への死球でグラウンドに倒れ込んだ。担架でベンチに運ばれると臨時代走が送られた。負傷交代かと思われたが、その裏には元気よく走って一塁の守備位置へ向かった。
「痛かったけど大丈夫。4番が試合に出るのと出ないではチームの雰囲気が変わる。出ますと言いました」。大会前には不調により4番を外された時期がある。負ければ夏が終わる。痛いなど言っていられない。
六、七回と2打席連続で左前適時打を放った。いずれも真ん中に来た甘い球を見逃さず一振りで仕留めたものだ。2安打2打点。長谷川法義監督(49)は「状態は悪くない」と目尻を下げた。
昨秋の中国大会で1試合4発を放ったこともありマークは厳しさを増した。内角球も増えている。「死球を怖がらず踏み込んでいきたい」と前を向いた主砲。春夏連続の甲子園出場へ、大きく腫れ上がった頬をさすりながら力を込めた。