花咲徳栄、脳科学トレで夏切符 野村完投&タイムリー 「究極の集中力」で逆転勝ち
「高校野球北埼玉大会・決勝、花咲徳栄4-1上尾」(24日、埼玉県営大宮公園野球場)
花咲徳栄が4年連続6度目の出場を決め、史上7校目となる夏の甲子園連覇へ挑戦権をつかんだ。
昨夏の覇者が新たな力を手にして聖地へと戻ってくる。花咲徳栄が逆転勝ちで4年連続6度目の出場を決めた。今秋ドラフト候補の野村佑希投手(3年)を軸に据えながら、新たに取り組んだ脳科学トレーニングが実を結んだ。
最後の打者を空振り三振に取ると、野村の感情があふれ出た。「自分の代でいけるのはうれしかったので」とガッツポーズ。投げては9回1失点完投、打っては七回に適時打を放った「4番・投手」を中心に歓喜の輪が広がった。
昨夏の甲子園優勝後、岩井隆監督(48)は打線の破壊力に加えて選手に「究極の集中力」を求めた。いやでも応でもつきまとうプレッシャーをはねのけるため、脳科学の分野に着目。自ら専門家の元へ赴き、理解を深めた。
「腹に落ちる内容だった」と手応えを得ると、選手への個別トレーニングを依頼した。チームの柱である野村も投球面で活用。「投げる瞬間に声を出すとリリースが安定する」と、打者を追い込んでからの集中力をさらに高めることに生かした。
旧チームからの主力は野村のみで、経験が浅いメンバーが多く占める中、指揮官は「本当に選手が大きく見えました」と手放しでほめた。重圧に打ち勝っての聖地切符。次なる目標は、全国の高校で唯一狙える夏連覇だ。