巨人・上原が2軍降格 崩壊した“勝利の方程式”立て直し策は…
巨人・上原浩治投手が27日、今季初めて出場選手登録を外れた。開幕直前に大リーグから復帰。ここまで28試合に登板して0勝5敗、防御率4・33だった。
ここ2試合はいずれも敗戦投手。22日の広島戦では丸に左翼席へ決勝2ランを被弾。26日のヤクルト戦では同点の十一回に登板したが、青木と山田哲の連打であっさり決勝点を献上した。
本紙評論家の関本四十四氏は「丸に打たれたホームランは外角直球を完璧に仕留められ、逆方向へ飛ばされている。ストレートが137、138キロではプロで抑えることは難しい。打者はフォークをマークしながらストレートに対応すればいいし、ストレートでの三振を考えなくていい。後半戦に入って変化球の軌道もデータも各打者の頭に入っている」と、現状を分析。春季キャンプに参加できなかった影響もあると指摘し、「踏み込みが狭く、小さなテークバックで手投げのようなフォーム。ごまかしのフォームでは捕まっても不思議ではない」とした。
43歳の大ベテラン。リリーフ陣は手薄なだけに、一日でも早い復帰が待たれる。関本氏は期間を設けて投球フォームを見直す必要があるとし、「直球の切れ」と「神業のようなコントロール」を取り戻すことが、“戦列復帰”の条件になるとした。
抑えのカミネロに続き、上原が離脱したことで“勝利の方程式”は完全に崩壊した。今季、1点差ゲームは7勝18敗と大きく負け越し。接戦に弱いチームは今後、さらに苦しい戦いを強いられることが予想される。
首脳陣は上原とともに野手の若林の登録も抹消。代わりに宮国と池田の2投手を昇格させ、中継ぎ要員を増員した。関本氏は「沢村、マシソンも疲労が目立ち、安定感に乏しいが、二人を軸に適材適所で起用していくしかない。相性を細かく見たり、左のワンポイントを使ったり、ここまであまりしてこなかった一人一殺の継投をしていく必要もあるのではないか」とした。
27日の時点で、首位・広島とのゲーム差は「10」。過去、10ゲーム差以上をつけられての逆転Vは球団で2例だけ。チーム状態は厳しいが、一丸となって奇跡を呼び起こすしかない。