明石商 4度目の正直で初の夏聖地 “馬淵イズム”継承の狭間監督「よぉ頑張った」
「高校野球西兵庫大会・決勝、明石商6-3姫路工」(27日、ほっともっとフィールド神戸)
西兵庫大会は3年連続準優勝の明石商が初優勝を飾り、夏の甲子園初出場を決めた。
悲願の1勝をついにつかんだ。3年連続準優勝の明石商が逆転で初優勝。狭間善徳監督(54)は両手を上げて跳びはねた。「ほんまによぉ頑張った。ありがとう」。就任11年目。それまで明徳義塾高、同中学で13年間“馬淵イズム”を学んだ指揮官は、選手に負けないはしゃぎっぷりで喜びを表現した。
初回に3番・田渕翔内野手(3年)の左前二塁打で先制するも、二回に3点を献上。主将の右田治信外野手(3年)が「今までの決勝が頭をよぎった」と言えば、狭間監督も「また紫のメダル(準優勝)かなと思った」と苦笑いだ。しかし準決勝では九回裏に0-3を追いついて逆転しただけに、沈む選手は誰一人いなかった。
同点で迎えた七回二死二塁でまたも田渕。「ここで打たな男じゃない」と初球の直球を強振して、中前へ決勝適時打。「期待に応えられてよかった」と、トレードマークの笑顔が輝いた。
昨夏決勝での敗戦以来、新チームでは県内無敗の22連勝。大会前から優勝候補筆頭と言われたことが「プレッシャーでもあった」と田渕は言う。気負いから不振にも陥ったが、準決勝前に春まで使っていた軽いバットに戻すと、徐々に感覚がよみがえった。
“4度目の正直”で新たな歴史を築いたが、この先は未踏の地。近くて遠い、初めての夏の聖地へ、本当の勝負が始まる。