慶応、雪辱「TKO」 春の悔しさ原動力にライバル撃破 10年ぶり夏切符

 「高校野球北神奈川大会・決勝、慶応7-5桐光学園」(30日、横浜スタジアム)

 慶応が本塁打攻勢で逃げ切り、夏は10年ぶり18度目の出場を決めた。

 しゃく熱の太陽のもと、スマートな男たちが泥くさく勝った。慶応が、追いすがる桐光学園を振り切り、10年ぶりの春夏連続出場。森林貴彦監督(45)は「選手たちを褒めてあげたい」と男泣きした。

 二回に宮尾将内野手(3年)、三回に広瀬隆太内野手(2年)の2本塁打が飛び出したが、指揮官が何より称えたのが、2死から3度、得点したしぶとさ。「しつこい攻撃をやりきろうと言っていた」。八回に追い上げられても慌てなかった。

 今春センバツで彦根東(滋賀)に初戦敗退。聖地で戦った者のみ知り得る悔しさが、原動力だった。大会後、全員ミーティングを行い「相手投手に対する強い気持ちが足りない」(宮尾)と、自分たちで新たな練習メニューを考案。打撃練習では必ず1つのケージを1ボール2ストライクに設定。追い込まれてからの粘り強さと執念を本番に結びつけた。

 チームの合言葉は「TKO」。「東海大相模、桐光学園(ともに頭文字がT)を慶応がKOする」の意で、両校にはそれぞれ昨秋、今春と敗れている。再び甲子園に帰るには必ず倒さねばならない強豪を撃破。有言実行で聖地でのリベンジの挑戦権を得た。

 第2回大会の1916(大正5)年には、前身の慶応普通部が全国制覇を果たした。黎(れい)明期をけん引してきた伝統校が、100回目の夏に光を放つ。

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