甲子園初出場の白山女性部長 打席に立って制止、注意された
第100回全国高校野球選手権記念大会(5日開幕・甲子園球場)の出場校による甲子園見学が31日、スタートした。今大会は出場校が56校と多く、例年の「甲子園練習」ではなく「見学」を実施。ボールは使えないため、各校がノックのふりなどで聖地の感触を確かめる中、春夏通じて初出場の白山(三重)の川本牧子部長(40)が打席に立ってスイングし、大会関係者に制止されるひと幕もあった。
白山の選手たちがシートノックのふりなど“エア甲子園練習”をする中、川本部長は選手や東拓司監督(41)に手招きされホームベース付近へ歩み出た。白いポロシャツに紺のフレアスカート、野球帽姿で右打席に入り、力強く1回スイング。選手は大喜びだったが、すぐ大会関係者に制止され注意を受けた。
川本部長は「監督がぜひぜひ、という感じだったので…。でも試合をする選手のための見学会なので、私が立ってはいけないですね」と反省。「かなり怒られました」と肩を落とした。自身は小学生の時に少年野球チームに所属し中学、高校でソフトボール部。選手にノックを打つことも「自主練など、年に2日ほど」あるという。
日本高野連の竹中雅彦事務局長はこの件について「今回は、背番号をつけていない選手やそのほかの人はグラウンド内(フェアゾーンなど)に入れないという規則。女性だからダメ、というわけではない」と説明した。
予想外のハプニングとなってしまったが川本部長は「ここに立てる日が来るとは思わなかった。部員たちがここでプレーするんだなという喜びがあった。まだ夢みたい」と、初の聖地に感慨もひとしおだった。