“男・村田”の真骨頂 引退の2文字を拒否した理由
今季限りでの現役引退の決意を固めている元巨人でBCリーグ栃木の村田修一内野手(37)が1日、栃木県小山市内のホテルで会見を行った。球界屈指のスラッガーとして君臨した“男”村田らしいこだわりと意地がつまり、律義な人柄がにじみ出ていた会見だった。
会見中に自ら“引退”の2文字を使って、ユニホームを脱ぐと明言することはなかった。
来季以降、NPB球団以外でプレーする可能性を問われて、反応した。「皆さんは、聞きたいのか聞きたくないのか分かりませんけど。僕としては万全の準備をしてNPB復帰を目指してきた。来年ユニホームを着て、どこかで野球を続けるのは考えにくい。その2文字(引退)を使いたくない。今日この時点で引退するという発言はしたくない」。
昨オフ、巨人を自由契約になり、3月に栃木に入団。今季中のNPB復帰を目指してきたが、プロ野球の今季中の新規契約が可能な期間が7月31日に終了した。そのタイミングで会見を行い、「来シーズン、NPB復帰を待つということは僕の中ではない」と明言。現実的には来季以降、NPB以外の球団でプレーする可能性も低いが、あえて引退の2文字は使わなかった。
横浜、巨人で活躍し、360本塁打、通算2000本安打まで残り135本に迫っていた強打者。当然、そのプライドもあった。そして「今後は家族と話をしていく」と家族にも配慮した。さらに9月9日まで栃木で試合が行われるだけに「集大成を見せたい」と最後のプレー姿をお世話になった栃木のファンに披露したい考えもあった。
事実上、NPB復帰の可能性が消滅したとはいえ、今季中は、栃木でユニホームを着る。支えてくれた家族、地元のファンに“引退”をきちんと伝えるのは今季、BCリーグ栃木での試合が終了した後、ということなのだろう。