八戸学院光星、一丸野球で追悼星 2日前に他界した部員に捧ぐ 16年の雪辱果たす

 「第100回全国高校野球選手権・1回戦、八戸学院光星9-8明石商」(11日、甲子園球場)

 2年前の悪夢を振り払った。八戸学院光星(青森)が最大6点差のリードを追いつかれながら、延長十回に相手のエラーで1点をもぎ取り勝利。16年夏・東邦(愛知)との2回戦で九回逆転サヨナラ負けの雪辱を果たした。

 負けられない理由があった。初戦の2日前に脳腫瘍で闘病していた2年生部員が他界。仲井宗基監督(48)は「彼の分も一生懸命一つになろう」と臨んだ。マネジャーが部員全員に送った手作りのお守り。亡くなった部員の分は病室から届けられ、小坂貫志部長(40)のかばんの中へ。“一丸野球”でともに戦った。

 大量リードを追いつかれ、悔しい敗戦と似た展開だった。地元・明石商(西兵庫)への声援が大きくなるスタンド。嫌な流れになっても仲井監督に焦りはなかった。3投手の継投策で勝ち越しは許さず。延長十回2死一、二塁から中村優惟投手(3年)の左前打を左翼手がそらすと、隙を逃さず二塁走者がホームベースを駆け抜けた。

 東邦に敗れて以降、目指したのはスタンドから応援されるチームだ。アウェーの雰囲気を「はね返すようないい野球をやろう」と指揮官。あいさつやゴミ拾いなど生活面も見直した。試合終了の瞬間、ナインへ向け4万3000人から大きな拍手。掲げた目標を体現し、亡き仲間に勝利を送った。

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