金足農、公立旋風 高橋の高校初弾が逆転V3ラン

 準々決勝進出を決め、校歌を歌う金足農ナイン
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 「第100回全国高校野球選手権・3回戦、金足農5-4横浜」(17日、甲子園球場)

 3回戦4試合が行われ、8強が出そろった。金足農は高橋佑輔内野手(3年)が八回、練習試合、公式戦を通じて高校初となる逆転3ランを放って横浜に逆転勝ちした。

 打席に入る前に奮い立った。視界に飛び込んできたのは、二塁ベース上で胸に手を当てて祈るエースの姿。高橋は「全部、吉田だけに任していたらダメ。吉田のことしか考えていなかった」。2点差の八回1死一、二塁。伝令に背中をたたかれて打席に入ると、狙いを定めた初球を振り抜いた。

 「センターが止まったので、取られると思った」と振り返った打球が、最後にひと伸びした。甲子園のバックスクリーンに飛び込む逆転3ラン。高校生活初本塁打は、劇的すぎる決勝弾となった。

 「(本塁打を)打ったことがないのに甲子園だったので最高。頭が真っ白でした」

 本当は派手に感情を表現したかった。だが、創志学園・西が派手なガッツポーズで注意を受けたことを思い出し、「打ったのに注意されたら嫌だし、あっと思ってやめた」。苦笑いで頭をかいた。

 ただ、喜びをこらえて生還すると、もっと大きな喜びが待っていた。ベンチで満面に笑みを浮かべた吉田が抱きついてきた。「あいつのために打ったので」。今度は感情を隠さず、思い切り抱き合った。

 秋田大会3回戦・能代戦でもサヨナラ打を放つなど勝負強さはチーム1。「吉田が楽に投げられるようにしたい」。準々決勝・近江戦もエースのために打つ。

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