ロッテ、キューバからの青田買い断念も…
ロッテが昨年末から進めて来たキューバからの“青田買い”が白紙に戻ったことが18日までに分かった。育成選手を獲得する方針だったが、このほど正式に「断り」の連絡が入った。
ロッテの林本部長は昨年末、キューバ入り。滞在中、野手5人、投手5人の計10人によるトライアウトを行った。「将来性のある若い選手を育成レベルで預かりたい」とキューバ・スポーツ省が仲介した参加選手から16歳と17歳の投手・野手に白羽の矢を立てた。
早ければ今春の石垣島キャンプからの参加を予定していたが、打診に対してキューバ・スポーツ省からの返答はなかった。
それでも、ロッテは期限を区切らず、つい最近まで来日の要請をしてきたが、キューバから具体的なアクションを得られなかった。
球団関係者の話を総合すると、「(今年は)ありません。何度もどうぞと来日を促しましたが、消極的な対応でした」と断念するに至った。
ロッテは16、17歳の来日に備えて通訳・世話係の準備をしてきた。ネックは年齢的なもので、「高校生ですからね。やはり、年齢的に他国に出すのは不安だったのでしょう」と球団関係者。
昨年末の実戦形式でのトライアウトでは「140キロ台後半のボールを投げる若手投手もいた」という。有望株の宝庫だ。
しかし、今回は青田買いに失敗したものの、元々の狙いはあくまでもキューバ球界との良好な関係の維持だ。
ロッテはデスパイネ、サントスを獲得したように、キューバ政府とはパイプが太い。
育成から即獲得はならずとも、「(キューバ選手が)日本での滞在経験を今後の人生に生かしてほしい」との思いがある。
その根底には「結局は何事も人と人のつながりが大事になる。この先、それが生きてくれれば」(球団関係者)と将来をにらんでの受け入れ計画だった。
今年は受け入れを断念せざるを得なかったが、ロッテはキューバとのパイプ強化に次なる一手を熟慮中だ。