史上最強大阪桐蔭、春夏連覇!根尾バックスクリーン弾 聖地100回目の夏、新伝説

 2度目の春夏連覇を達成し歓喜する大阪桐蔭ナイン(撮影・佐藤厚)
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 「第100回全国高校野球選手権・決勝、大阪桐蔭13-2金足農」(21日、甲子園球場)

 決勝が行われ、大阪桐蔭(北大阪)が史上初2度目の甲子園春夏連覇を達成した。今秋ドラフト1位候補の根尾昂内野手(3年)は五回に高校通算30本目のダメ押し2ラン。投手として登板はなく、3度目の“優勝投手”は逃したが有終の美を飾った。昨春のセンバツと合わせ、史上最強と言われたPL学園の桑田真澄、清原和博のKKコンビや、横浜の松坂大輔でも達成できなかった自身3度目の甲子園制覇。最強軍団が100回目の夏を鮮やかに彩った。

 いつも冷静な男が、素直に感情を表現した。九回2死、右翼へ飛球が上がる。根尾はカバーに入らず、マウンドへ駆けだしていた。「シンプルに、めちゃくちゃうれしい」。仲間と笑い合い、涙を流す仲間の肩を抱いた。平成最後の第100回大会。偉業を成し遂げた最強軍団の大黒柱が、笑顔でフィナーレを迎えた。

 五回無死一塁は、吉田からバックスクリーンへライナーを運んだ。今大会3本目となる2ラン。「吉田君の球が強かったので、叩いただけで飛んだ」。過去2度の決勝は投手として優勝に貢献したが、打者として味わう全国制覇も格別だった。

 二刀流として1年夏からベンチ入り。スター軍団の看板選手として注目された。ただ、入学当初は異質な存在だった。同級生がけんかばかりをする中、1人で行動し、輪に入ることも少なかった。

 西谷浩一監督(48)が一度も声を荒らげたことがない優等生。勉強優秀で、ヘッドホンステレオでは常に英語をリスニング。遠征帰りのバスではみんなが眠る中、1人本を読む。

 そんなマイペースな姿勢は、自覚とともに変わっていった。最大の転機は、昨夏の甲子園3回戦・仙台育英戦の逆転サヨナラ負け。悪夢は今も忘れない。

 「昨夏に負けてから、全部勝つことをテーマにしてきた」。新チームでは副主将に就任。主将・中川卓也内野手(3年)のサポート役として、チーム全体にも目を向けるようになった。

 昨年は1学年上の先輩との紅白戦で、3戦とも2桁失点で大敗。能力があっても勝てない。中川と前チームの主将・福井章吾捕手(現慶大)に「一体感ってなんですか」と問いかけた。

 「探し続けろ。(一体感は)出すものじゃない。出るもの。取り組みをしっかりしていけば、必ず出てくる」

 前主将の言葉に気づかされた。今まで以上に周囲へ声を掛け、主力9人で回す野球ノートには常にびっしりと思いをつづる。準備、確認を徹底。言葉と背中でチームを作り上げてきた。「みんなで勝てたので大きな喜びがある」。過去2度の優勝よりも感慨は大きかった。

 今後は遊撃手としてプロ入りを目指す。「技術も体力もつけたい」。偉業を成し遂げた自信を胸に、新たな挑戦にスタートを切る。

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