金足農・輝星“侍ポーズ”ダメ 国際大会では侮辱行為、報復も 高野連が禁止通達
第12回U18アジア選手権(9月3日開幕・宮崎)に出場する侍ジャパン高校代表・吉田輝星投手(3年)=金足農=がルーティンとしている“侍ポーズ”が、大会中は禁止されることが1日、分かった。日本高野連は国際大会では侮辱行為として捉えられる可能性を考慮し、報復行為を避けるために判断。KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎での練習後に通達した。
シャキーンにNGが出た。日本高野連関係者は選手を守るために決断したといい、「吉田のルーティンということは分かるが、国際大会では誤解を生む可能性がある」と説明。この日の練習後、吉田らに開幕3日の1次ラウンド・香港戦から“侍ポーズ”をしないように指示した。
国際大会では相手への敬意を重んじる不文律があり、日本での常識が通用しない。派手なガッツポーズは侮辱行為として捉えられ、大量リードしているチームはバントや盗塁を控えるなど、謙虚な振る舞いが求められる。
暗黙のルールを破ると、報復を受ける。昨年のU-18W杯3位決定戦・カナダ戦では、7-0の八回に二盗した選手がいたため、九回に清宮(現日本ハム)が死球を受けた。同じことが繰り返されると、ケガ人が出ることにつながりかねない。
今回の代表メンバーには不文律を含めた“国際ルール”の説明を8月29日に行っている。日本高野連は同31日の宮崎県高校選抜との壮行試合では「相手が日本で、ファンも見たかったと思うので」と、藤原との“侍ポーズ”を容認していたが、本番は許可しない。
この日、禁止が通達される前の吉田は「昨日の藤原は100点」と笑顔を見せ、藤原は「30点。もう少し練習したい」と継続する意思を見せていた。球場もチームも盛り上がるルーティンだったが、2人のコラボは1度限りとなってしまった。