「巨人１－６ＤｅＮＡ」（１９日、東京ドーム）

　史上初の快挙への期待も高まる快投だった。「ここまでやるとは。本当にアンビリバボー」とラミレス監督をもうならせた東の投球。初回から１本の安打も許さず、スコアボードにゼロを並べた。

　「ゲーム差がない状況で上位（チーム）に投げた。責任感はあった」と東。初回に大和の先頭打者弾で援護を受け「すんなり試合に入れた」と七回２死まで完全投球。

　普段は相手の応援を楽しむ左腕も「今日は全然聞こえてこなかった」と極限の緊張感と集中力で臨んでいた。マギーの一発で巨人戦での完全試合という史上初の快挙は逃したが「ホッとした」と、その後も崩れずに８回１安打１失点。巨人戦は５戦５勝。そして５８年の鈴木隆以来、チーム６０年ぶりの新人左腕１１勝の記録も打ち立てた。

　バナナ、トマトに続いて、最近は鉄分などの栄養価が高いフルーツ・アサイーを摂取するなど体作りに余念がない。３位巨人に０・５差に迫って迎える２１日からの１２連戦。「体のケアをして次に臨みたい」と話す左腕の快進撃が、逆転ＣＳへの道を切り開く。