西武・稼頭央“ライオンズ愛”貫き引退「残りも全力で」球団は指導者として慰留へ
西武は26日、松井稼頭央外野手(42)が今季限りで現役を引退すると発表した。27日に会見する。今季15年ぶりに古巣に復帰し、テクニカルコーチを兼任。球団は今後も指導者としてチームに残ることを要請する見通しだ。松井は25日の楽天戦後、辻監督や同僚に引退を報告した。
栄光に満ちた25年の現役生活に別れを告げる松井は「寂しいですよ」と前置きした上で続けた。「残りも選手として全力で頑張る」。プロ生活をスタートしたチームが10年ぶりのリーグ優勝へ近づく中、まずは最高の引き際へ全力を尽くす。
2位ソフトバンクを本拠地で迎え撃った今月15日、今季初めて出場選手登録を外れた。投手を増やすための首脳陣の決断だった。これを察していたという松井はいつも通りに練習で汗を流し、ユニホームを着たままベンチ裏で戦況を見守った。
辻監督には「1軍にいて、気付いたことをアドバイスしてくれないか」と直接伝えられた。黄金時代を支えた選手が去った後の西武を支え、大リーグでもプレー。日本球界復帰後は楽天で日本一を経験した松井も意気に感じた。
登録抹消後も1軍に同行して助言する自分の姿を、現在はマリナーズで会長付特別補佐を務めながら練習に取り組むイチローに重ねた。「日本にいるときから背中を追いかけてきた」という憧れの人の姿も、新たなモチベーションとなった。
今季はテクニカルコーチも兼任し、球団が将来も指導者として期待する存在。「こんな僕でも必要としてくれる。ユニホームを脱ぐなら、ここでと決めていた」。背番号7は「ライオンズ愛」を貫いた。