西武M1 菊池雄星感涙「大きい1勝」 19戦目で初のソフトバンク戦勝利
「西武5-3ソフトバンク」(28日、メットライフドーム)
通算19度目の対戦で天敵・ソフトバンクから初勝利。これまで悩み、苦しんだ過去と道のりが脳裏にフラッシュバックする。優勝マジックを1とし、10年ぶりのリーグ制覇に王手をかけたお立ち台。「…」。西武・菊池雄星が声を詰まらせ、瞳に涙を浮かべだ。
「ソフトバンクに勝たないと、エースと呼ばれても、本当の意味で認めてもらえないと思っていた」。固くて大きな壁をブチ破った背番号16の顔は晴れやかだった。
初回に3点の援護を得ながら、三回に5安打を集中され、同点に追い付かれた。それでも11連勝中と波に乗るチームの勢いを背に奮闘した。左腕を思い切り振って繰り出す直球と、切れ味鋭いスライダーを両軸に追加点を与えなかった。
7回8安打3失点(自責点1)で14勝目を挙げ、ハーラートップを走る同僚の多和田に1勝差に迫った。「必ず勝つんだという強い気持ちを持ってマウンドに上がった」。強い意志を結果に結びつけた充実感が胸に宿る。
破竹の12連勝でソフトバンクを連破し、ついに優勝マジックを1とした。きょう29日に勝つか引き分ければ、長く待ちわびた優勝の瞬間が訪れる。
「必ず3連勝して、地元で優勝したいと思っていたので」。連勝のタスキをつなぎ、2年目右腕・今井に優勝決定試合を託した。目前に迫った歓喜の瞬間。最後は思い切り笑い、うれし涙に暮れる。