中日浅尾、引退スピーチで阪神中谷に感謝「全力で勝負してくれた」虎ファンも拍手
「中日0-4阪神」(29日、ナゴヤドーム)
中日・浅尾拓也投手が、九回に涙の引退登板。試合後の引退セレモニーでは、ガチンコ勝負でスタンドを沸かせた阪神・中谷に感謝を述べた。
大歓声を受け、マウンドへ。待ち受けていたのは森監督だった。この状況に、浅尾は投球練習から感情を抑えきれず。引退会見では「幸せでした。本当に悔いはありません」と笑顔を浮かべていたが、最後の舞台で自然と涙がこぼれた。
打席の中谷も、真剣勝負を挑んだ。カウント1-1から、138キロの直球に空振り。さらに2-2からの5球目は、左翼ポール際への特大ファウル。ガチンコでの戦いに、両軍のファンからどよめきが沸き起こった。そしてその直後の6球目、浅尾の決め球フォークで空振り三振。浅尾に充実の笑みが浮かんだ。
試合後の引退セレモニー。浅尾は中日ファン、関係者だけでなく、阪神ファンにも感謝を述べた。「阪神ファンの皆さま、ありがとうございました。初登板も最終登板も阪神でした。今日、対戦してくれた中谷くんが全力で勝負してくれ、選手としてうれしかった。ありがとうございましたとお伝えください」。異例ともいえるスピーチに、黄色いスタンドから拍手と歓声が沸き起こった。
右翼席には「史上最強のセットアッパー」の横断幕。イケメン右腕のラストに、涙を流す女性ファンの姿も多くあった。