ヤクルト由規が涙の退団「ボロボロになるまでやりたい」
ヤクルトは2日、都内で由規投手(28)、成瀬善久投手(32)、久古健太郎投手(32)、菊沢竜佑投手(30)、古野正人投手(32)、大松尚逸内野手(36)、比屋根渉外野手(31)、鵜久森淳志外野手(31)の8選手に来季の契約を結ばないと通告した。
由規は現役続行の希望を表明。「悩み抜いたうえ、自分の可能性にかけて、現役をやりたいとお伝えした。ボロボロになるまでやりたいと思いました」と話した。涙を浮かべて声を詰まらせながら「11年間の長い期間、ヤクルト球団にはお世話になった。寂しい気持ちはあるし、ここでずっとやっていたい気持ちはある。感謝の気持ちでいっぱい」と球団への愛着を明かした。
由規は07年度の高校生ドラフト1巡目で入団し、1年目の08年から2勝。10年には12勝を挙げ、当時日本人最速の161キロもマークした。しかし、11年に右肩を痛め、13年に手術。15年オフに一度は育成契約となったが支配下復帰し、16年には1軍で5年ぶりの白星を挙げた。
今季は開幕ローテーション入りし、7試合に登板して1勝。しかし、6月2日の楽天戦を最後に右肩痛で離脱し、その後は2軍戦での登板もなかった。
今後はトライアウト受験も視野に、NPBにこだわらず、現役続行を目指す考え。9月以降はノースローでトレーニングを続けており「まずは投げられる状態に持っていかないといけない。他でやることもヤクルトへの恩返しになる」と語った。
球団側は引退の場合は、球団内でポストを用意する方針だった。衣笠球団社長は「これまでの貢献度と、今後の復帰までにかかる時間を考慮した。苦渋の決断。本人の決意を尊重した」と説明。「成績、人間性を高く評価していた。スワローズファンを増やしてくれた」と功績をたたえた。