ロッテ・大隣 古巣相手に引退登板 打者1人限定勝負 上林の痛烈安打に苦笑い
「ソフトバンク10-2ロッテ」(3日、ヤフオクドーム)
今季限りでの引退を表明しているロッテの大隣憲司投手が、3日の古巣ソフトバンク戦で現役最後のマウンドに上がった。
井口監督の計らいで、引退試合の舞台はプロ入りから11年間を過ごしたかつての本拠地ヤフオクドームでの先発登板だった。また、ソフトバンクも粋な演出だ。在籍当時に使用していた登場曲が響く中マウンドに向かう左腕の背中を押した。大隣はソフトバンク1番の上林に対してストレート勝負を挑んだが、2球目の137キロの外角低め直球をライト前に痛烈に弾き返された。
ガチンコ勝負を望んでいた大隣も思わず苦笑い。打者1人に投げて交代となった。ソフトバンク工藤監督、井口監督から贈られた花束を受け取った大隣は割れんばかりの拍手の中、最後まで笑顔でマウンドを去った。
試合後は両軍選手からマウンド付近で胴上げ。7度宙を舞い、現役生活に別れを告げた。
大隣は近大から2006年ドラフト希望枠でソフトバンクに入団。2013年に発症した難病の黄色靱帯骨化症から戦線に復帰し、翌年にはチームの日本一にも貢献した。
2017年オフに自由契約となり、ロッテにテスト入団も、移籍1年目の今季の登板は、1回2/3を7失点に終わった5月2日・ソフトバンク戦での先発だけに終わっていた。
プロ通算はこの試合前まで12年間、140試合に登板し、52勝49敗、防御率3・36だった。