大阪桐蔭8冠 虎ドラ1候補・根尾V打締め 4日にプロ志望届提出
「福井国体・高校野球硬式・準々決勝、大阪桐蔭5-3済美」(3日、福井県営野球場)
今夏に史上初となる2度目の甲子園春夏連覇を果たした大阪桐蔭が国体でも1位となり、“8冠”を達成して有終の美を飾った。阪神など複数球団が今秋ドラフト1位候補に挙げる根尾昂内野手(3年)が決勝打を放ち、今年の公式戦は無敗の29連勝でフィニッシュ。全ての大会を終え、きょう4日にプロ志望届を提出する。今大会は台風24号の影響で準決勝以降を打ち切りにしたため、4強の浦和学院、金足農、大阪桐蔭、近江の4校が1位となった。
大阪桐蔭の“史上最強世代”と称されたスター軍団の最終戦。今年の高校球界を席巻した3年生は、最後まで肩書に違わぬ力を見せた。“8冠”達成。世代の象徴だった根尾がフィナーレを彩った。
四回1死一塁。初球のチェンジアップを捉え、中堅へライナーを打ち返した。打球は中堅頭上をあっさりと越え、決勝の適時二塁打となった。
「終わったな、という感じです。チームメートの力で、自分だけでは経験できない財産を与えてもらった3年間だったと思う」
新チームが始動した昨秋大阪大会から、公式戦通算成績は41勝1敗。春夏の甲子園と、昨秋、今春、今夏の大阪大会と、昨秋、今春の近畿大会を制し、国体も1位となった。それでも貪欲な男は、名残惜しそうに高校野球生活に別れを告げた。
岐阜県飛騨市から名門へ進学。西谷浩一監督(49)は二刀流としての素質を高く評価し、今秋ドラフト1位候補の藤原恭大外野手(3年)とともに、高1夏の大阪大会からベンチ入りさせた。
だが、肩肘への影響を考慮して、1年時は主に外野を守らせた。投手の練習も行っていたが、野手の練習をした日はブルペン入りもさせなかった。体に合わせた指導で、大きなケガもなく成長。周囲が認める努力も重なり、才能は花開いた。
17、18年センバツは大会史上初の2年連続優勝投手となった。打者としては高校通算32本塁打。U18アジア選手権では5試合で打率・389を記録するまでに成長した。
それでもいつも通り、納得した様子は見せなかった。「今日ももっと飛ばさないといけなかった。高校野球は終わったけど、やりきったという感じはしない」。今後もレベルアップを目指し、25日のドラフト会議を待つ。