菅野「監督のため」巨人55年ぶり8完封 指揮官感服「やっぱりすごい」

 「広島0-4巨人」(4日、マツダスタジアム)

 思いを乗せたマウンドで完璧な投球を披露した。巨人・菅野智之投手(28)が15勝目を挙げ、球団では1963年の伊藤芳明以来のシーズン8完封を記録。さらに、200投球回&200奪三振もW達成した。この白星で沢村賞の項目を全てクリアし「去年の沢村賞の時から(200回が目標と)言っていた。自分の力だけでは達成できない。使ってくれた監督、コーチ、トレーナーに感謝したい」と笑顔で話した。

 巧みな投球術を繰り広げた。初回から快調だった右腕は「ストレートが良かった。それをきかせながらスライダーやフォークを使った」と11奪三振の快投ぶりを見せた。

 絶対に負けられない-。この日、全体練習前のミーティングで高橋監督から辞任の報告を受けた。これまで6年間、チームメート、監督として共に戦い、指揮官の引退セレモニーで“現役最後”の対戦相手も担った。「今日は、監督のために投げきろう」。思いを胸にマウンドへ。感謝の気持ちを119球に乗せて体現した。

 そんなエースから勝利をプレゼントされた高橋監督は「やっぱりすごいですね」と感服しきりだった。CS争いに向け、残り1試合。背番号19は「CSに向け弾みがつく大きな1勝。(監督に)なんとか最後はいい形でね…」。指揮官を男にすべく、最後まで心を一つに戦い続ける。

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