西武・榎田、CSファイナルSへの決意 阪神と西武にありがとう

 西武移籍1年目で自己最多の11勝(4敗)を挙げ、10年ぶりのリーグ制覇に貢献した榎田大樹投手(32)が15日インタビューに応じ、激動のレギュラーシーズンを振り返った。阪神時代に一念発起してフォーム改造に取り組み、開幕直前に西武にトレード移籍。優勝会見で語った「天国と地獄」の真意、第3戦先発が予想されるCSファイナルSへの決意などを明かした。

 -リーグ優勝はプロ8年目で初体験だった。

 「ビールかけをやって、いろんな方に連絡をもらって、改めて実感した。最近は年間通して結果を残せなかった。今年はある程度は貢献できたかもしれない」

 -今季は自己最多の11勝。好成績の要因は。

 「(未勝利に終わった)昨年に根本的なことを見直そうと、動作解析の先生を紹介してもらい、投げ方の理論を学び、足りない部分がはまった。2月の春季キャンプでは半信半疑だったが、先生たちに『今年の球はいいんじゃないか』と言われ、『方向性は間違いないかな』と続けた」

 -開幕前にトレード移籍した西武では先発として活躍した。

 「先発に集中して準備できたことが大きかった。阪神では中継ぎか先発か分からなかった。ただ、それは自分がチャンスで結果を残せなかったから。西武ではまっさらな形で見てもらったのも良かった」

 -先発として描いているイメージは。

 「(2011年の)入団1年目の阪神は打線も強力で、久保田(智之)さんや(藤川)球児さんの救援陣もすごかった。阪神の入団会見では『試合をつくって粘り強く投げることが持ち味』と話した。そのスタイルが今の西武でできている。ようやく本来の形を築けた。(プロ入りから)8年たって、描いていた投手像が体現できた」

 -優勝会見では6月3日の阪神戦(メットライフ)を印象に残った試合に挙げた。

 「(7回3失点で勝利投手となり)お立ち台で姿を見せられたのはうれしかった。ヒーローインタビューで阪神ファンから声援をもらえて、ありがたいというか、複雑だった」

 -「天国と地獄」という言葉も口にした。

 「昨年は3試合しか投げられず、プロ野球選手にとって地獄のようなシーズン。9月後半まで1軍にいて登録を抹消されて戦力外も覚悟したし、家族とは『次はどんな仕事をしようか』と話していた。当時を考えると、優勝して会見にも呼ばれた今年は天国。家族との会話も『優勝できるかな』と明るくなった」

 -戦力外通告を受けたら、どうしていた。

 「米国の独立リーグに知人がいるので、そこに行くことも頭の片隅にあった。教員免許も持っているし、高校野球の監督をやりたいとも思っていた。現役を辞めざるを得ない環境になるかもしれないと、すごくいろいろ考えた時期だった」

 -激動のレギュラーシーズンだった。

 「今季はずっと、任されていることが幸せだった。トレードを経て今の立場があるので、西武にも阪神にも本当に感謝している。一生懸命やっても2軍でくすぶっている選手や、結果を出しても1軍に上がれない選手の励みになることができれば、うれしい」

 -次は自身初出場のCSでの登板が待つ。

 「短期決戦は1点の重みが違う。野手を信頼して、我慢強く投げたい。これまでの野球人生でポストシーズン(での登板)は経験できなかった。最後まで野球をやって、笑って終えられれば幸せ。そこに立つ喜び、ありがたさを感じて投げたい」

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