ソフトバンク、8得点で圧勝 日本シリーズ進出に下克上王手
「パCSファイナルS・第4戦、西武2-8ソフトバンク」(20日、メットライフドーム)
4番のソフトバンク・柳田悠岐外野手(30)に待望の一発が飛び出した工藤ホークスが、球団初のレギュラーシーズン2位からの日本シリーズ進出に王手をかけた。初回に柳田に今CS1号の先制2ランが出るなどソフトバンクが8得点で圧勝。西武のアドバンテージの1勝を含め対戦成績を3勝2敗とした鷹軍団は、きょう21日の第5戦に勝てば2年連続の日本シリーズ進出が決まる。
長い滞空時間に、メットライフドームが静まりかえった。初回2死一塁。柳田が最初のスイングで規格外の放物線を描いた。カウント1-1からの3球目。外角高めのボール気味の145キロを捉えた打球は、西武ファンが詰め掛けた左翼スタンドに舞い落ちた。
圧倒的パワーで運んだ今CS初アーチとなる先制2ラン。「力を抜いて、かち上げました。自分のいいスイングができたので、本塁打になると思いました」。フェンス際まで追った左翼手の外崎もあきれ気味の表情を浮かべる中、悠々とダイヤモンドを1周した。
今季は自身2度目の首位打者に輝き、自己最多の36本塁打を放った柳田にとって、メットライフドームは最大の“鬼門”だった。敵地でのレギュラーシーズンの打率は・192で、本塁打に至っては0本。練習の打球が頭部を直撃しての戦線離脱もあった。
柳田も「やられっぱなしだった」と認めるほどの相性の悪さだっただけに、ファイナルSの前は打撃フォームの微調整も行った。その成果もあり、第4戦まで16打数7安打4打点、打率・438。本拠地でのファーストSをはるかに上回る数字を残している。
柳田を中心に、打線はファイナルSで大爆発。CS最多タイの15点を奪った第3戦を筆頭とした4試合の得点は38点に達し、2008年の西武がCS第2ステージの5試合でマークした32得点の同一ステージ最多記録を早くも更新した。
2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけたが、工藤監督は「まずは次の一戦」と慎重だ。柳田も「もう一つ頑張ります」と続けた。レギュラーシーズン2位からの「下克上」を成し遂げるまで、気を緩めることはない。