星稜・奥川、2戦連続2桁12K 星稜3度目のV王手
「明治神宮野球大会・高校の部準決勝、星稜7-4高松商」(12日、神宮球場)
高校の部2試合、大学の部1試合が行われた。星稜は来秋ドラフト1位候補・奥川恭伸投手(2年)が7回1失点で12三振を奪い、24年ぶりに決勝へ進出。松井秀喜氏(元巨人など)を擁した91年以来3度目の優勝へ王手をかけた。札幌大谷は太田流星投手(2年)が八回まで無安打無得点投球で2失点完投。初出場で初の決勝へ進出した。大学の部は近大が準決勝へ進み、4強が出そろった。
神宮にまた衝撃が走った。底力を見せつける100球。奥川が7回4安打1失点で、2試合連続2桁奪三振となる毎回の12Kを奪った。
「調子は良くなかった。変化球を見せ球にできたりすれば良かった」と反省したが、大崩れはしなかった。初戦に続いて視察した阪神、中日など、複数球団に成長を見せた。
序盤は最速150キロの直球が130キロ中盤。それでも力任せで投げない。「基本は7、8割の力でコースを突いた」。要所でギアチェンジし、初回2死二、三塁は143キロで空振り三振。三回に今大会初失点後は、146キロで空振り三振を奪って反撃を阻止した。
オンとオフ。高校日本代表で日本ハムドラフト1位の金足農・吉田から学んだ投球術だ。「吉田さんをマネして一層、意識するようになった」。今夏は甲子園決勝までほぼ1人で投げ抜いた先輩の技を学び、投球の幅を拡大。七回にこの日最速の149キロを投げる余力があった。2試合14回で23三振。大会歴代3位ながら、3試合では1大会最多の31三振を奪った97年の松坂大輔(横浜)超えも見えてきた。
星稜3度目の優勝まであと1勝。3安打4打点と打撃でも貢献した大黒柱は「明日も投げるつもり。タイトルを取ってセンバツに乗り込みたい」。世代1冠目は絶対に譲らない。