中日のマネジャーがトライアウト挑戦 関さん「楽しかった」2四球も三振奪う
「12球団合同トライアウト」(13日、タマホームスタジアム筑後)
2013年に中日を戦力外となり、以降5年間球団のマネジャーを務めた関啓扶投手(25)が参加。打者3人に対して1三振を奪った一方で2四球の内容にも「これが自分の実力。やりきった感はあります」と充実感を漂わせた。
トライアウト受験を決意したのは今シーズン途中だという。本格的に投球練習を再開したのはシーズンが終了してから。「ちゃんと投げるのは5年ぶりくらいで。自分の中では楽しかった」と笑う。
10年年度ドラフト5位で中日入団。1軍出場を果たせないまま、戦力外となりユニホームを脱いだ。「選手生活が終わって、ふがいない終わり方だった」。現役時代は「イップス」に悩まされ、満足できる投球はできずじまいだった。
ただ、裏方として野球に接することで新たな発見も。「だいぶ、自分の考え方も変わって。コーチや選手の話を聞いていると、こういう時はこうした方が良かったんだとか」。今回の挑戦は、そんな“新発見”が背中を押してのものだった。
たとえ、NPBや独立リーグからのオファーが届かなくても、5年前とは違い後悔はない。「連絡がなければ、球団を退団させてもらって専門学校に通おうかと」。もう残してきたものはない。球場を後にする際の表情は、すっきりとしていた。