鵜久森&須田、高校時代からのライバルがトライアウトで再戦

 「12球団合同トライアウト」(13日、タマホームスタジアム筑後)

 不思議な縁だ。同級生で高校時代からのライバル。ヤクルト・鵜久森淳志外野手(31)とDeNA・須田幸太投手(32)が生き残りを懸けたトライアウトの場で“再戦”した。

 “あの時”の再現になるかと思われた。須田のボールを捉えた鵜久森の打球はフェンス際への中飛。15年に日本ハムを戦力外になった時と今回で2度目のトライアウトとなった鵜久森は「向こう(須田)は打ち取って、こっちはいい当たりで。お互いに良かったんじゃないでしょうか」とほほ笑んだ。

 04年3月26日、春のセンバツ1回戦。鵜久森は済美(愛媛)の4番、須田は土浦湖北(茨城)のエースとして激突していた。スコアは9-0で済美の勝利。鵜久森は須田から4回に2ランを放つなど、この試合5打数3安打3打点。4番の爆発で勢いに乗った済美は、その後、決勝で愛工大名電に勝利。創部3年目、初夏通じて初出場で優勝した。

 両者の勝負は舞台をプロに移しても劇的だった。17年4月2日の神宮でのヤクルト対DeNA。4-4で迎えた延長十回1死満塁で打席は代打・鵜久森。マウンドには須田がいた。初球を振り抜いた鵜久森の打球は左翼席へ。代打サヨナラ満塁弾。セ・リーグ10人目、球団では1982年の岩下正明以来、35年ぶり2人目の快挙だった。

 「思い出があります。サヨナラホームランも須田でしたし」と話した鵜久森は、この日4打席2四球。「全力で頑張れたので」と振り返る。一方、須田は打者3人を無安打で今後は「お話があれば、どこでも。(独立リーグなど)全部、含めて」。両者による再戦の実現を待ちたい。

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