立正大9年ぶりV!DeNAドラ2伊藤裕が逆転2ラン 担当スカウト「すごい」
「明治神宮野球大会・大学の部決勝、立正大6-4環太平洋大」(14日、神宮球場)
大学の部の決勝が行われ、立正大が初出場した2009年以来9年ぶり2度目の優勝を果たした。追いかける展開となったが、八回にDeNAからドラフト2位指名を受けた伊藤裕季也内野手(4年・日大三)が今大会2号となる逆転2ランで勝負を決めた。環太平洋大は最大3点リードを奪いながらも神宮初制覇を逃した。
ゲームセットと同時に感極まった。守備位置で少しうずくまった後、マウンド上のナインの元へ駆け寄った伊藤裕。「4年間をいろいろ思い出して、苦しいことばっかりで。それを乗り越えたからここまで来られた」と日本一をかみしめた。
4番としてこれ以上ない仕事ぶりだ。2点を追う八回、1点を返し、なおも1死一塁で打順が巡ってきた。「初球は狙っていました」と直球を強振。打った瞬間にスタンドインを確信し、ベンチに向かってガッツポーズした。
左翼席中段への劇的な逆転2ランで、空気を一変させた。六回には自らの失策を皮切りに勝ち越されており、「何とか取り返そう」と臨んだ打席。ミスをカバーする豪快な一撃で主将としての責任もしっかりと果たした。
「大事なところは(自分に)回ってくる」と常に意識してきたことで、驚異的な勝負強さが身についた。視察したDeNA・武居スカウトも「すごい」と絶賛。次の舞台でも、ここぞの一打は大きな武器となる。最高の置き土産を残し、伊藤裕はプロへと羽ばたく。