ソフトバンク・工藤監督、3度目の正力賞 3年連続日本一見据える
今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督、選手に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が20日、東京都内で行われ、ソフトバンクを2年連続の日本一に導いた工藤公康監督(55)が満場一致で選ばれた。選手時代の1987年、監督に就任した2015年に続き3度目の受賞となった。
パ・リーグ2位からCSを突破し、日本シリーズではセ・リーグ3連覇の広島を撃破。球団初の下克上日本一を成し遂げ、3度目の栄誉を手にした工藤監督は「チームに頂いた賞だと思っています」と球団を通じてコメントした。
「今年ほどたくさんの人の関わりと頑張りがあってチームが成り立っていることを実感したことはありません。球団職員・チームスタッフの皆さんにも感謝しております」。サファテや岩崎ら主力に故障が相次ぎ、シーズンでは最後まで西武をとらえられなかった。挑戦者として臨んだポストシーズン、特に日本シリーズでは勝負に徹した指揮官の決断がチームを動かした。
松田宣が不調とみるや先発メンバーから外し、先発投手の武田と石川は「第2先発」として救援に回した。主砲の内川には第5、6戦の好機で送りバントを命じた。選考委員会の門田委員は「勝負に懸ける執念を見た」と称え、王委員は「内容のある、後世に語り継がれる日本シリーズ」と評した。
指揮を執る4シーズンで3度の日本一。「来シーズンも、そしてこれからも、この栄誉ある賞に恥じることのないよう、微力ながら野球界に貢献していきたい」。工藤監督はリーグの覇権奪回、そして3年連続日本一を見据えている。