中島が巨人入り、原監督の狙いは…「必要なパーツ」競争の起爆剤に
巨人は22日、オリックスを退団した中島宏之内野手の入団を正式発表。都内で原辰徳監督同席のもと、入団会見を行った。
中島は「原監督から『一緒に助け合って戦おう。一発やってやろう』と伝えてもらった。それだけで決めました」と入団の決め手を説明。原監督も「ジャイアンツの一員になってくれた。私のなかで吉報です」と喜んだ。
通算1759安打をマークしている右の強打者。実績は申し分ない。ただ、年齢は36歳で今季は77試合の出場にとどまった。チームは今オフ、正三塁手だったマギーが退団。ポジションは空いたが、原監督は若き主砲の岡本を三塁に回す構想を抱く。さらに中島と同じく一、三塁を守る新外国人のクリスチャン・ビヤヌエバ内野手を獲得。メジャーで今季20発を放った大砲で、中島に入り込むスペースはないようにも映る。
その疑問に答えるように、指揮官は中島を必要とした理由についても説明した。「ナカジが来てくれたら競争が激しくなる。チームは競争が大事。彼が入ったことで戦いは始まる。幸い内野はどこでも守れるという選手ですから、チームを構成するうえではありがたい存在。選手として強さがあり、自己犠牲もしっかりできる。必要なパーツです」。
原監督は2度の3連覇を成し遂げているが、当時のチームを支えた谷佳知、さらに井端弘和も、ベテランの域に達してから巨人入り。レギュラーとしても活躍したが、スーパーサブとしてチームに欠かせない存在だった。
原監督は、その性格面も評価した。「結果を見てくれ、行動を見てくれ、プレーを見てくれ、と。その武骨さには魅力を感じています」とニヤリ。「ジャイアンツの選手はスマートな選手が多い。違ったタイプの選手がジャイアンツのユニホームを着て戦ってくれると思っていた」と、荒々しい闘争心を前面に押し出し、チームの“刺激剤”となることも期待した。
右打ちも得意で、原監督が指揮を執った2009年のWBCでは2番打者で出場。世界一に貢献した。大きな期待を受けた中島は「チームのために、力になる。言われたところで、がんばる。それしかないです」ときっぱりと言い切った。