FA炭谷、巨人入り決断「他球団に移籍したい」
西武から海外フリーエージェント(FA)権を行使した炭谷銀仁朗捕手(31)が23日、巨人入りを決断した。西武・渡辺久信SD(53)がこの日、炭谷本人から他球団へ移籍する意思を伝えられたことを明かした。炭谷に対し西武以外で交渉を行っていたのは巨人のみで、近く「巨人・炭谷」が誕生する。
巨人との初交渉から、ちょうど1週間。炭谷が大きな決断を下した。西武・渡辺SDは「他球団に移籍したい、と本人から話があった」と明かし「野球人として、もう一度勝負したいとのことだった。何とか残留してほしかった。残念だが選手の権利なので。本人の決断を尊重するしかない」と話した。
16日の初交渉。席上で炭谷は、原監督の「優勝するために扇の要の炭谷選手がぜひともほしい」というメッセージを伝達され「率直に、大変うれしく思います」と、その熱意に感謝していた。残留か、移籍か。悩み抜いた末に、新天地、初めてのセ・リーグで挑戦する道を選んだ。
捕手陣のレベルアップを図りたい巨人にとっては、この上ない補強だ。経験豊富なその存在は、小林、宇佐見、大城ら若手捕手にとって、大きな刺激となる。さらに、阿部も捕手復帰を決断しており、競争激化は必至。質の高い正捕手争いの環境が整うことになる。
24日にも、今度は広島・丸との交渉が行われる。石井球団社長は、ライバルのロッテが井口監督同席で交渉を行ったことに触れ「監督にも出てもらわないといけないですね」と希望。原監督も「喜んで。もちろんきちっとした形で(意思を)伝える用意はいつでもできている」と話した。覇権奪回へ推し進める補強。佳境を迎える。