巨人、FA丸と初交渉 最大級の誠意 原監督吉報を待つ
巨人は24日、広島から国内FA権を行使した丸佳浩外野手(29)と東京都内のホテルで初交渉を行った。交渉には原辰徳監督(60)も同席。交渉後に対応した指揮官は「ジャイアンツとして、監督として誠意は伝えることはできました。あとは吉報を待つという心境でございます」と話した。丸はこれで、広島を含めて名乗り上げている全球団との交渉を終えた。
待ち焦がれた“恋人”との対面。石井球団社長らと交渉のテーブルに着いた原監督は胸を張り、報道陣の待つ控室に足を運んだ。「内容は今はまだ伏せておきたい」と“ラブコール”の内容には踏み込まなかったものの「誠意というか、気持ちというものは伝えることができました」と振り返った。
2006年オフに日本ハムからFA宣言した小笠原以来となる指揮官同席での交渉。誠意の表れだった。「彼は18歳で広島に行って家族もでき、子どもさんもできた。その中で、もし東京にとなった時には不安は当然あるわけで、そういう話も出ましたね」。移籍となれば生活環境も変わる。交渉の中では家族のことも話し合われたという。
この日の交渉では5年35億円という破格の条件も提示したものとみられる。ここ数年の巨人は若手外野手の台頭が乏しく、30代の陽岱鋼、亀井、長野も中堅の域に入っている。さらに左の長距離打者が不足。チームとして是が非でも必要な存在。精いっぱいの思いを伝えたもようだ。
丸サイドは再交渉を行わないのが基本方針で、指揮官は「あとは吉報というか、彼の意思の答えというのを待つ立場になった」と結んだ。覇権奪回へ、この日午前の広島市内の護国神社参拝を終え、慌ただしく上京したバットマンに対し、最大級の誠意は尽くした。泰然と構え、吉報を待つ。