元フジテレビ・田中大貴アナ 「暇さえあれば練習」これが糸井選手
プロ野球界に幅広い人脈を持つ元フジテレビ・田中大貴アナが人気選手の隠れた一面を同アナの視点で紹介していきます。今回登場するのは阪神・糸井嘉男外野手です。
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「大貴さん、反対の脚上げたことあります?僕、日ハム時代に投げ方に悩みすぎて、気がついたらマウンド上で逆の足上げてボーク取られましたから…」
阪神の糸井選手が数年前、投手時代のことを教えてくれました。まさに「糸井嘉男らしい」エピソードです。その時は涙が出るほどの爆笑でした。
しかし、真相はもっと深い話でした。投手として入団した日本ハム時代、結果が出ず、苦しみ悩み続け、投球フォームを改善しようと24時間365日、投げ方について眠れず、試行錯誤していたのです。考えすぎて、身体が硬直し、結果、右投手にもかかわらず、逆脚の右脚が上がってしまったのでした。
局アナ時代、スポーツキャスターとして約10年間、取材した中で最も練習する野球選手は糸井嘉男という男でした。「暇さえあれば練習する」、これが糸井選手です。
どうして投手から野手に転向し、打撃で結果を残し続け、30代半ばを過ぎて盗塁王を獲得できたのか?決して彼は大きな声では言いませんが「常に野球に向き合い、それだけ練習してきたから」と打ち明けてくれました。
秋季キャンプ中、食事に行く約束をしていながら、僕が仕事で1時間遅刻したことがありました。
「嘉男君、ほんまゴメン!待ってる間、何してたん?」
「1時間、腹筋背筋してました!」
お決まりの爆笑の嵐。けれど、本当はそのクール中、しっかりと体幹トレーニング出来ていなかったからでした。
独特の表現から「宇宙人」と呼ばれる糸井選手。実はその表現の裏側に彼なりの深い意味があるのです。
阪神ファンの皆さん、糸井選手の表現に爆笑した後、必ず冷静にその言葉を振り返って下さい。「ほんまや、糸井の言うてた通りや!」てなりますので。来季もやってくれるはずですよ!
ということで、今週から連載を始めさせて頂きます。ほんまは僕も兵庫育ちの関西人、バリバリの播州弁で育ちました。今まで隠してきたプロ野球界の“とくダネ”をバンバン書きますんで、宜しくお願いします!!
◆田中 大貴(たなか・だいき)1980年4月28日生まれ、38歳。兵庫県小野市出身。小野高から慶大に進学し、硬式野球部では02年春の東京六大学リーグで本塁打王のタイトルを獲得するなど、スラッガーとして脚光を浴びた。03年フジテレビ入社。レギュラーとして朝の情報番組『とくダネ』など多数に出演。プロ野球界をはじめ、各界に幅広い交友関係を持つ。18年4月に退社し、現在はスポーツアンカーとして活躍中。