巨人 大型補強だけでは勝てない 原野球に欠かせない“スーパーサブ”は誰か
巨人が“お家芸”の大型補強を着々と進め、オフの主役となっている。FA市場では広島から丸、西武から炭谷の獲得に成功。オリックスを自由契約となっていた中島、新外国人として大砲ビヤヌエバの入団も決まった。
野手陣の“軸”は固まりつつある。「追いつき追い越せという人たちが目の前にいるのはいいこと」と原監督。来春のキャンプ、さらにオープン戦で、し烈なチーム競争が待ち受けている。
争うのはレギュラーの座だけではない。原野球といえばベンチ入りメンバーを総動員し、接戦をものにしていくのも特徴のひとつ。侍ジャパンの指揮官として世界一に輝いた09年のWBCでもサブのメンバーから選考したことを明かしているように、貴重な“スーパーサブ”に誰を指名するのかも注目だ。
原監督が指揮を執った07年からの3連覇では古城、木村拓が代打、代走、守備固めとして活躍。12年から3連覇を達成した際も鈴木尚、寺内、実松が、代走のスペシャリスト、守備の職人、不動の第2捕手としてチームを支え続けた。原監督は「最強のスーパーサブ」と敬意を示し、鈴木や寺内は球宴にも出場させた。
今季、チームが苦しんだ1点差ゲームの勝敗をひっくり返すには、鈴木や寺内のような存在は欠かせないだろう。もちろん、全員がレギュラーを目指してスタートするとはいえ、立岡や重信、MLB選抜を相手にランニング本塁打を放った松原ら、走力の光る選手は“ポスト鈴木”の有力候補。また、二塁のレギュラーを争う吉川尚や田中俊、守備能力なら負けない吉川大は“ポスト寺内”の候補にもなるだろう。
「個人軍であってはいけない。巨人軍でなければいけない。最大の目的は勝つ事。誰と戦うのが一番か、チームを作っていきたい」と原監督。覇権奪回に向けて、必要なピースをどう当てはめていくのか。決断のひとつひとつに注目が集まる。